「自己顕示欲をコントロールすることの大切さ」メリットとデメリットについて。
1.自己顕示欲とは?
2.自己顕示欲を持つことの重要性
3.強すぎる自己顕示欲のデメリット
4.まとめ
自己顕示欲という言葉についてご存知でしょうか。
「欲」という文字が示すとおり、
食や金銭、性欲といったような
人間なら誰しもが持っていて当たり前の欲求です。
平たく言えば
社会の中で自分という存在を
主張したいという欲です。
今回はこの自己顕示欲について、
4つのの項目に分けて解説します。
1.自己顕示欲とは?
冒頭で述べたとおり、自己顕示欲とは自己の存在を周囲にアピールしたいという欲求です。
同じく周囲に自分のことを「認めてもらいたい」という承認欲求とは似ており、どちらも根底は同じもので、混同しがちです。
確かに、自分を知ってもらいたいということは周囲に自分の存在を「認めてもらいたい」という受け取り方もできますが、私は自己顕示というのは必ずしも存在の承認が目的であるとは言い切れないと考えています。
自己顕示の目的は存在を主張したいというところにあります。
しかし、その目的は必ずしも誰かに認められたいという訳ではないでしょう。
過激な発言や行動をすることで自分の名を売る行為や、犯罪を予告することは「自分の能力を認めて欲しい」という理由だけではなく、誰かに言葉を掛けてもらいたい、構ってもらいたいといった寂しさの表れでもあり、孤独な自分を多くの人に知ってもらいたいというのは自己顕示欲と言えるのではないでしょうか。
全てにおいてこれは自己顕示欲、これは承認欲求と別けて考えることは難しく、時にはイコールで結ばれるケースもあるでしょう。
ですが自己顕示欲は「まず誰かに自分の存在を知ってもらいたい」という、能力や才能を認めてもらう以前のことだと考えています。
2.自己顕示欲を持つことの重要性
人は集団の中にいる時、黙っていては埋もれてしまいます。
どんなに個性がある人でも、豊かな感性を持っている人でも、自分から存在を主張しなければ、その場にいても存在しない者と変わりありません。
誰もが経験することを例に挙げれば面接です。
大抵の人は学校や企業の面接官とは面識が無く、そういった人たちに自分がどんな人間で、どんなことができるのかを自分の力で示さなければなりません。
自己PRが上手いとか下手という問題以前に、どれだけ自分のことを知ってもらいたいかというのは自己顕示欲を持っていなければいけません。
自己顕示欲が少ないことが控えめで謙虚であり良いことだというわけではなく、「自分のことを知ってもらいたい」と強く思うことも大切です。
私は社会人になってから「もっと自己顕示欲を持ちなさい」と指摘されたことがあります。
どちらかというと私は周囲に合わせ、波風を立てないようにすることを人付き合いの上で心掛けていますが、それでは私の本心が見えない、私という人間を知ることができないと、お酒の席で上司に言われました。
集団の中で上手く生きていくには、時には個性を消して、その他大勢の一人になることも大切だと思っていましたが、それと自己顕示欲を持つことは別です。
どんな人間で、何ができるのかということを周囲が知っていることは友人との付き合いや仕事をする上でも大切なことであり、自分を知って欲しいという欲を持つことは必ずしも悪いことではありません。
3.強すぎる自己顕示欲のデメリット
前項で述べたように、適度の自己顕示欲を持つことは社会で生きる上で重要な要素となりますが、強すぎるのも考えものです。
欲を出しすぎることで自分の意見ばかりを押し付ける自己中心的な人物だと認識されたり、どんな場面でも目立つことしか考えていないただの目立ちたがり屋と認識されたりと、知らぬ間に印象の悪さばかりが認知されてしまいます。
現代ではインターネットが普及し、SNSや動画共有サービスを利用することで誰もが情報の発信者となることができます。
それは非常に便利なことですが、自己顕示欲が強すぎるデメリットが働くこともあります。
例えば、面白いことを呟きたいけれどそれができない結果、手っ取り早く注目を集める術として安易な予告を行うような人がいます。
また、誰もやっていないことを動画に収めようとした結果、過激な演出をして他人に迷惑を掛ける、犯罪行為に走るといったようなことも見受けられます。
自分は面白い人間だ、有能なクリエイターだという自意識過剰な人間が強い自己顕示欲を持った末路として、適切な例ではないでしょうか。
4.まとめ
ここまで述べたことは感想と解説になりますので、全てが正しいなどとは考えていませんし、他者から見て解釈の違いがあるのは当然です。
しかし、これだけは言えるというのは自己顕示欲をコントロールすることの大切さです。
新入社員の頃、早く結果を残したくて躍起になった経験はないでしょうか。
上司や同僚に対する過剰なアピールや、会議で評価されるような発言をし、一目置かれたいと思って空回りをした苦い経験が私にはあります。
ですが評価とは、自ずとついてくるものです。やることをやっていれば黙っていても周囲に自分の存在を知ってもらうことができます。
その人物に対する理解や信頼というのは一朝一夕に形成されるものではありません。
ただの自意識過剰で自己中心的な目立ちたがり屋にならないためにも、自己顕示欲を持つことを良さと、持ちすぎることの悪さを考えて振舞うことで、自分という存在を正しく知ってもらうことが社会で生きる上で重要なことと言えるでしょう。